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VERTEX
第4章 緊張する…
ミドル級から上の階級である大型外国人の入場では一際、歓声が盛り上がる。
霧島さんはスーパーウェルター級、涼ちゃんはスーパーライト級。
僅か5kgの体重差で3階級の違いが出る。
スーパーライトから下はほとんどが日本人。
霧島さんのスーパーウェルター級ではトーナメントに外国人が混ざるから頂点を勝ち取るのは本当に難しいクラスになる。
更に歓声が高まった。
涼ちゃんの入場。
しかも胸を見せつけるようなデザインの真っ赤でタイトなドレス姿をする国崎さんと腕を組んでいる。
これは演出だから仕方ない。
VERTEXは番組宣伝になるなら手段を選ばない。
あの後も1度、霧島さんと涼ちゃんと国崎さんでテレビ出演をしている。
一応、ジムからは国崎さんに対して仕事以外で涼ちゃんに近付くなら仕事をキャンセルすると注意を出したと会長さんが言っていた。
それでも国崎さんをぶら下げている涼ちゃんから目を逸らしてしまう。
その涼ちゃんよりも更に大きくアリーナが割れそうな歓声に顔を上げる。
霧島さんの入場。
頂点である霧島さんは女性を2人連れている。
強い男…、モテる男…、カッコいい男の象徴を演出して並ぶ選手達の真ん中に霧島さんが堂々と立つ。
選手達が揃うとスポンサーサイドへの挨拶や主催者の言葉、テレビ放映の状況などの説明があり、司会者が叫ぶ開始の合図で第1試合の準備が始まりトーナメントが始まった。
今日は7時間…、13試合が行われる。
涼ちゃんと霧島さんはテレビ放映時間に試合をするから夜の7時以降の試合になる。
テレビ放映は7時から9時までの2時間スペシャル。
今から5時間の間で良い試合をした選手達はダイジェストなどでその2時間枠に写し出される。