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第5章 部外者…



そんな質問に答えている場合じゃない。


「ねぇ、客席までの道はわかる?」


その子に聞いてみる。


「部外者じゃないって言ってて迷子かよ?」

「悪い?」

「うわっ、偉そうな迷子…。」

「お願いだから…、客席までの道を教えてよ。」


涼ちゃんの試合が始まっちゃう。

その気持ちだけで泣きそうになる。


「こっち…。」


その男の子が私の手を握って歩き出す。

涼ちゃん以外の男の子と手を繋ぐとか初めてだから妙に緊張をしてドキドキとかする。

涼ちゃんよりも一回り小さな男の子。

短い髪を茶色く染めた男の子。

繋いだ手が汗ばんで来るから、それが恥ずかしくて手を離したいのに、その子がしっかりと私の手を握っている。

ある扉の前でその子が立ち止まる。


「この向こうが客席に通じる通路。」


ぶっきらぼうにその子が私の手を離す。

慌てるようにして、その扉を開けて客席に向かう通路を走り抜けていた。

なんとか涼ちゃんの試合前には客席に戻れた。

あの子にお礼を言うのを忘れてたとか思う。


「涼二君は大丈夫だった?」


静香さんが聞いて来る。


「ちょっと試合前に興奮をしてたから呼ばれただけです。もう落ち着いてますから大丈夫です。」


そう答えるとプロポーズの事を思い出して顔が赤くなっちゃう。

自分を誤魔化すようにパンフレットで顔を扇ぎながらさっきの男の子を探してみる。

深井 勇気…17歳。

キックボクシング出身の現役高校生ファイターだ。

17歳って!?高校2年生!?

私よりも年下なの!?

勇気君の試合のスケジュールを見る。

もう試合はとっくに終わっている。

ちょっと見逃した事を残念とか思った。


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