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第6章 見ないで…



「一緒に入る?」


首筋が舐められる。


「ひ…1人で入る…。」


声が裏返る。


「残念。」


頬にキスをして涼ちゃんが離れた隙にバッグからパジャマを取り出してお風呂へ飛び込んだ。

服を脱ぎ捨てて頭からシャワーを浴びる。

もしかしたら、大丈夫かも?

涼ちゃんだし…。

いつもキスだけで何も無いし…。

何も無い…。

恋人として、それはそれでダメかもしれないとか考えてしまう。

何も無い私…。

平凡で普通の高校生…。

背も小さくて胸もあまり大きくない。

色気も無いし…、取り柄も無い…。

鏡に映る自分の姿に泣きたくなる。

他の人に涼ちゃんを取られちゃう?

涼ちゃんと泊まるというだけで子供っぽい態度しか出来ない自分に凹んで来る。

結婚するつもりなら…。

涼ちゃんに抱かれる覚悟が必要になる。

静香さんだって霧島さんと…。

だから妊娠した訳で…。

妊娠!?

私、まだ高校生だよ!?

涼ちゃんは避妊してくれる!?

馬鹿な事ばかり考えてしまうからお風呂を出たらすっかり逆上せていた。

私と入れ替わりに涼ちゃんがお風呂に入る。

欠伸をしながらお風呂に向かった涼ちゃんを見てまた凹んでしまう。

涼ちゃんが疲れてる。

そんな気遣いすら私はしてあげる事が出来ていない。

それどころかお風呂上りにブラジャーをするかしないかとかつまらない事でたっぷりと悩んだりしてグズグズとお風呂から出る事を躊躇った。

私ってダメ女だ。

偉そうにカッコ悪い男は嫌だと涼ちゃんに言ったくせに私はいい女になんかなれていない。

ドライヤーで髪を乾かしながらひたすら凹んで立ち直れそうにない。


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