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VERTEX
第6章 見ないで…
ドライヤーの音で涼ちゃんがお風呂から出た事すら気づかなかった。
「ちゃんと乾かさないと髪が痛むぞ。」
涼ちゃんにドライヤーを取り上げられた。
「涼ちゃん!?」
「うん…。」
私の髪を撫でながら乾かし直してくれる。
それはいつもの涼ちゃんで私が好きな涼ちゃんだと思うから不思議と怖さは感じない。
「水…、飲むか?」
冷蔵庫からミネラルウォーターを出して聞いて来る。
「飲む。」
そう答えるとグラスに私の分を入れてから残りのペットボトルの分を涼ちゃんが飲み干す。
いつも半分ずつだった。
おやつもジュースも何でも涼ちゃんと半分ずつするのが当たり前だった。
やっぱり変わらない涼ちゃんだと安心をする。
「そろそろ寝ないと明日が辛いよ。」
いつもの感覚でそう言った。
「寝れないかも…。」
涼ちゃんがゆっくりと顔を撫でて来る。
少しくすぐったいから涼ちゃんのTシャツを掴んでいた。
顎が持ち上げられてキスをされる。
抱っこをされて広いベッドに寝かされる。
「怖い?」
ずっと顔を撫でながら聞いて来る。
「涼ちゃんだから怖くないよ。」
やっぱり涼ちゃんが好きだと思う。
「無茶をするつもりはないから…。」
そう言うと顔を撫でたまま私にキスをする。
ゆっくりと優しいキス…。
いつだって優しくしかしてくれない。
唇を啄むようなキスが続き時々唇を舐めて来る。
少し舌を出すと涼ちゃんの舌が絡み付くように撫でて来るからくすぐったい。
涼ちゃんの首に手を回す。
いつもよりも深いキスに頭がクラクラしちゃう。
息が出来ない。
身体が熱くなる。
涼ちゃんの手が私の身体を抱きしめるようにして背中を撫でている。