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VERTEX
第6章 見ないで…
「もう…、しないの?」
「今夜はしない。理梨の可愛い顔が見れたから満足。無茶をさせるつもりはないんだ。」
私の顔を撫でてキスをする。
「本当にいいの?」
「理梨はもっとしたい?」
涼ちゃんがニヤニヤとする。
「意地悪!」
「嘘だよ…、本音を言うと眠いんだ。もっと理梨を抱きたいけど、もう体力の限界だ。」
そう言って私の小さな胸に顔を埋めた涼ちゃんが目を閉じる。
考えたら涼ちゃんは深夜まで起きてられない人だ。
私にしがみつくようにして、いつものように涼ちゃんが眠りにつく。
すぐに涼ちゃんの寝息がする。
私には犬男で可愛い寝顔を見せてくれる。
「おやすみ…。」
涼ちゃんの頭にキスをする。
今はまだダメダメの女の子だけど、いつかは今の涼ちゃんに相応しい女の子になりたいと思った。
なんとなく目が覚めた。
「おはよう。」
目の前に涼ちゃんの顔がある。
飛び起きる。
夕べのホテル…。
涼ちゃんと泊まったのは夢じゃないと確信する。
「おはよう…。」
なんとなく照れくさくて顔が上げられない。
「理梨…、俺…、腹減った。早く着替えてビュッフェに行こうぜ。」
涼ちゃんが情けない顔をする。
朝はすぐにお腹が空いたと騒ぐのは昔からだ。
「シャワーするから待ってて…。」
「なるべく早く…、頼む。」
涼ちゃんが今にも死にそうな顔をする。
お預けをしてシャワーを浴びる。
胸に小さなマークを発見した。
犬男に噛まれた後…。
後で叱っておかないととか考える。
シャワーから出るとドライヤーを持った涼ちゃんが待ち構えている。
お姫様状況で涼ちゃんに髪を任せる。