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デブオタ・キモオの鎮魂帰神
第4章 日本レジャー(株)宮ノ内家攻略
営業課を出て、自席に戻ろうとして携帯を見たら、親父から着信があった。

(まだ何かあるのか?)

「あっ、親父?今度は何?」

「涼子がありがとって。」

「本人が電話してこないんだ。そんな会社信用できるか!明日はキャンセルだって伝えておいて。プチッ!」

(礼儀しらずにも、ほどがある。)


自席に戻るとメモが置いてあった。

「日本レジャーの社長さんから、今晩19:00料亭“高級”にて、食事のお誘いがありました。」


マジ!今、19時。あちゃ!

タクシーより、電車の方が速い。

1駅だが、渋滞しているので電車にした。

料亭に着いたのが19:15。

個室に案内され、遅れたことを謝罪して席に着いた。

席は4つ。

俺の前に社長さん。その横に常務さん。

俺の横には、ナイスバディの秘書課のお姉さん。

(これ、ハニートラップ?)

お酌される度に、秘書課のお姉さんの胸元が見える。

だって、胸の前で構えて待ってるんだもん。

見るな!と言う方が無理な状況。

会話をしようと、リゾートの事を聞いたら「仕事の話は止めましょうね。」

そんな事言われても、俺、引き出し多くないんだよ!

仕事以外の話?共通点が見つからない。

どんな話をしたらいいのか解りません。

お手上げ状態のまま、お酌だけされて「ありがとうございます。」しか言えない。

そんな時に「星月さんは、普段どんな事されてますか?」

秘書さんから、いいネタが飛んできたので「バイクを走らせています。」

そう言ったら、秘書と常務さんが驚いた顔していた。

そして沈黙が訪れる。

会話が続かない。逃げたいよ。

キャッチボールしようよ。と、ボールを投げれない俺が言ってもな。

「秘書さんは、普段何をされてますか?」

「女の子の日常は秘密です~ぅ!」

「・・・・・・。」

もう限界!帰っていいですか!!

目の前を見たら、社長さんが、蟹みそを完食したので、俺も一口食べて「この蟹みそ美味しいですね。」

そう言ったら、常務さんが「こんなもんだよ。」

「そうなんですか?久しぶりに食べたので、美味しく感じましたが。」

「・・・・・。」

本当に帰りたい。なぜ俺を呼んだんだ?解らない。

なぜ、俺もここに来たのだろう。理解に苦しむ流星であった。
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