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炎の薔薇
第3章 雫
ブラの上から乳首を探り当て、人差し指でその周りをなぞる。
『ウゥ……ン……』
私の口から飛び出す女の声。
これは意外だとびっくりする自分が居たんだ。
和也とそういう関係になっても、セックスに余り期待はしていなかった。
和也が学生の頃は女性と付き合うというより、勉強漬けの毎日が想像出来たから。
人が恋愛やセックスにうつつを抜かしている時も、ちゃんと自分というものを持ち、努力を重ねて今の地位についたのだと思えた。
奥さんとも恋愛もしたのかもしれないが、賢い女は自分が楽に暮らしてゆける男を選ぶ。
偏差値の高い有名な大学院を卒業し、その大学の研究室に残って助教授まで昇りつめるほどの男と出会ったなら、多少は理想のタイプと違っても妥協も出来るのではなかろうか。
その点は和也の妻は賢く、世に言う勝組の女だ。
そういう男と最初から出会える運の強い女(ひと)という事。
その反面、和也に寂しい思いをさせて不倫に走らせた女でもあった。
妻という立場に胡座をかき、与えて貰うばかりで夫を敬えない女。
そんな女なんだから、私の方が愛されるべきなのだと開き直れた。
だからよ。
私が和也と巡り会えたのは…………
背徳の恋の炎がメラメラと燃え上がり、怪しく二人を導いていた。