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炎の薔薇
第9章 魅せる女
「ほらね。私の選んだネクタイの方が和也に似合うわ」
「本当やね。引き締まる感じするわ」
どんなに偏差値が高くて一流大学を出身のエリートでも磨かれてない部分は人より劣るもんなのね。
和也のファッションセンスはイマイチだった。
お洒落というものは、値段が高くて良いものを身につければ良いって話ではない。
似合うのは勿論、そつなくこなして自分を演出するのがお洒落であり、それに伴うものがセンスというもの。
あなたにはそれが備わってない。
それをそのままにしておく奥さん。
本当にあなたに興味がないのね。
紺地に水色の細かい薔薇の柄のネクタイは、あなたを数段男前に魅せた。
「本当に良く似合う」
あなたの首に手を回し、これでもかという自信に満ち溢れた笑顔の眼差しを向けた。
あなたをいい男に魅せる技を私は知っているの。
女が男を磨いてあげるのよ。
それが愛する男への本当のご奉仕。
セックスだけじゃないのよ。女の魅せ方はね。
「茜、そんな顔で見られたら……また収まりつかなくなるがな…イヤやな……勃ってしもうた……」
もう帰らなきゃいけないのにね……