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夢の欠片(くすくす姫サイドストーリー)
第2章 中編
「分かった。力は、貸す」
「本当か?有り難え、恩に着る」
「…礼を言われるのはまだ早い。力は貸すが、条件が有る」
「条件か。何だ」
「土地と住まいは用意しよう。間接的にだが生活の面倒も見る。だが、居場所はお前には金輪際教えない」
「何だと?!」
「彼女とは二度と会うな。どこに居るか探ったり、様子を見に行こうとする事も禁じる。産まれてくる子にも、父親だと名乗ることは勿論、会う事も許さん」
「…産まれてくる子を跡継ぎにしたいと俺が言ったら、どうする」
それを聞いた友人は、しばらく口を噤んだ後で、重苦しく口を開きました。

「…それは…確かに、全く縁のない者よりは、お前の血を引いている者の方が、適性が有るかもしれないな…」
唸るような声でそう言うと目を閉じて考え、独り言の様に呟きました。

「…それでは、子どもがある程度大きくなった時点で、俺が跡継ぎに向いているかどうかを判断して決めよう。もしそれで跡継ぎになったとしても、一生他人として接するという条件に変わりは無いからな。但し、産まれて来た子が跡継ぎに向いていないと言うことになったら、子どもは一生お前には会わせない」
「何っ!?」
「当然だろう?本当は、跡継ぎにするかどうか考える事だけでも、すべきでは無い危険な事なんだろうが…お前に手を貸した後に万が一事が発覚したら、俺も罪に問われるんだぞ。俺だけじゃない、一族郎党全てに累が及ぶかもしれん」
「そんな事にゃあさせねぇよ。どんな事をしても、お前に迷惑は掛けねえ」
「それなら何故相談した。迷惑を掛けないと言っても、お前がこのまま息災な間はともかく、お前に何か有った時はどうする。彼女と、子どもはーー子どもに罪は無い」

もしも女が身一つで逃げて来たのであれば、友人は協力する事は無かったでしょう。
しかし、女は身籠もっていると言うのです。
何年も妊娠しなかった妻が身籠もった途端に一度家を出て行ったとしたら、その後帰って来たとしても、子が本当に夫の子であるか、厳しく追求されるでしょう。その上、夫の女への仕打ちを聞いた今となっては、家に帰せば母子の命を危険にさらす事に成りかねない事は、誰が聞いても明白な事でした。
自身の妻が二人目を身籠もっている友人には、子が宿っている事を知っているのに女を夫の待つ家に帰すのは、躊躇われました。どうしても妻と重ねて見てしまうのです。
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