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Jacta Alea est.
第1章 叙任式
「…顔色が優れないようですが、くれぐれも教皇様の前で失礼のないように」

段取りの説明に空返事するアヴィレスの様子に呆れた司教は、やれやれとあからさまなため息をついた。アヴィレスは目を泳がせて罰が悪そうに笑ってごまかした。
叙任式の前にトイレでも行っておけばよかったなとぼんやりと考えている間に、大広間の扉が視界に入ってきて、アヴィレスは諦めたようにため息をついた。叙任式の最中は我慢するしかないようだ。

後ろに控えていた騎士の2人が大広間の扉を開くと、そこは太陽の陽射しが差し込む美しい空間であった。高い天井と大きな窓、白い大理石が敷き詰められて玉座までは赤いカーペットが敷かれ、階段を登った高い場所に白と金の玉座があった。その奥に一枚の巨大なステンドグラスがあり、荘厳で神聖な雰囲気を醸し出していた。
その玉座に連なる階段に7人の男性が立っており、扉が開くと7人はアヴィレスの方を向いた。赤い聖衣を身に纏い、白のストールのような布を肩に垂らしているということは大司教の面々である。

西大陸(ウェストゥア)の北部、カルコンヌ教区を司る大司教メーヴェ。
最も広大なスウェード教区を司る大司教ガルヴァドス。
ちょうど大陸の西部にあるラングニック教区を司る大司教オースティン。
広大ではないが肥沃な土地を持つホーレン教区を司る大司教コンラッド。
西大陸の暖かな気候の南部、シヨン教区を司る大司教ウィンスター。
古くから遺る聖地が多い内陸のマギンツェ教区を司る大司教エドモン。
東大陸に繋がる港があり商業的に栄えるサンタンジュ教区を司る大司教リシャール。

この7人の大司教の下に多くの司教、司祭、修道士が連なっている。それが教会のヒエラルキーである。メーヴェ大司教が最も高齢となる人物だが、リシャール大司教を除く他の5人も大司教として相応な年齢であるように見えた。だからこそ、異様に若く美しいリシャール大司教が目立って見えた。


「サー・アヴィレス殿、よく眠れましたか?」

階段の高い位置からメーヴェ大司教が機嫌の良さそうに尋ねた。
お世辞にも快眠であったとは言えないアヴィレスは、気まずそうににこりと微笑み返すだけしてそれを返事とした。
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