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姫巫女さまの夜伽噺
第6章 志摩の過去
「人間の娘のあんな姿を見たら
志摩も壊れると思ったんだ。
志摩はまだ麻木の件を気にしてるから
…諦めがつくと思ったんだよ」
つくもんか。
志摩は目をつむった。
「…いいよ、志摩。
この山の主代行は僕だから、僕が思う通りにするよ。
明日も明後日も
僕はあの子を壊しにかかるよ。
麻木の事を忘れられるように祈りながらね」
行って。
穂高はやわらかく微笑む。
志摩は何とも複雑な気持ちになって
穂高の部屋を去った。
後ろから追いかけるように
天女の喘ぎ声が聞こえてくる。
志摩は耳を塞ぎたくなり
伊良に触られた事
そして、麻木に触れられた事を思い出して
奥歯を噛み締めながら自身の部屋に戻った。