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姫巫女さまの夜伽噺
第7章 癇癪鼠
「ははは、本当に素直な反応だね。
僕じゃ嫌なんだね。
でも、君は贄だから、逃げるわけにはいかないよ。
もし、逃げようものなら
その衝立の後ろにいる志摩殿が君を許さない」
「志摩…」
その名前を聞くと
そこに志摩がいることを思い出して
伊良は急に恥ずかしくなった。
「ほう、志摩殿から手ほどきを受けたんだね。
それはとても良い。
むしろ、あの二刀流の神狐の手ほどきとは、僕としてはありがたいね。
僕は、播磨(はりま)。
今夜、君にお相手をしてもらうよ。
よろしくね、伊良」
播磨の口づけは吸い付く様で
どうにも居心地が悪い。
しかも、志摩が隣にいることを知ってしまい
気もそぞろだった。
それを見透かしたのか
播磨は笑いながら口づけをし
そして、猫が付けるような首輪を取り出すと伊良の首にそっとつけた。
「え、首輪?」
嫌がろうとした時にはもう遅く
身体をそらすと着物が脱げ
その次の瞬間
首輪から伸びた鎖を握った播磨にその鎖を手繰られる。
「嫌がったって駄目だよ。
今夜、君は僕の嫌いな猫になってもらうからね。
僕は、あの憎たらしい猫を蹂躙したいんだ」
「猫?」
ニコリと笑った瞬間
彼の顔が一瞬にして胡散臭くなる。
「そう、猫。僕は、猫が死ぬほど嫌いなんだ。
じゃあ、猫になってもらおうかな」
手繰り寄せられ
嫌がる暇もなく口づけされ
髪飾りを取られ、着物を解かれる。
(やだ…志摩…!)
「志摩殿は来ないよ」
見透かされたかのようにそう言われ
怖くなって逃げ出そうとしても
首輪が邪魔で身動きが取れない。
播磨の思うままに
伊良は口づけをされ
首元を吸われた。