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姫巫女さまの夜伽噺
第7章 癇癪鼠
「え、でもなんでせこいの?」
「あいつは神様に呼ばれた時
牛の背中に乗って横着して
着く直前で背から降りて一番になったんだ」
「そうなの!?」
聞いたことがなかった十二支の話に
伊良は興味しんしんで志摩の話を聞く。
「神様の所に着いた順で、十二匹の動物で年を表すと決めたんだ。
そして、あいつは競争日を猫に聞かれた時に
わざとを間違った日にちで教えたんだよ。
それ以来、猫はあいつを見つけると追いかけ回すって寸法だ」
「…知らなかった…!
そんなことが起こっていたんだね」
一つ、より深く妖たちを理解することができた様なできない様な。
二人でのんびり露天風呂に浸かっていると
そのうちに空が白み始めて、朝日が昇ってきた。
その綺麗な朝焼けとなんとも言えないほっこりした気分に
伊良はゆっくりと深呼吸する。
まるで、生まれ変わったかの様な気分だった。
「私、最初はこんなの嫌だなって思っていたけど…。
もう少し頑張ってみる。
志摩、だから、もう少し一緒にいてね」
「ああ。どうせ、お前らの命なんか短いからな。
ずっといてやることくらい、屁でもない」
彼女を後ろから抱きしめて
肩に顎を乗せてゆっくりしている志摩から
安心と、気の抜けた声が聞こえる。
嫌味な言い方に少しだけ伊良は微笑んで
朝日を拝みながら湯船に浸かった。
「あいつは神様に呼ばれた時
牛の背中に乗って横着して
着く直前で背から降りて一番になったんだ」
「そうなの!?」
聞いたことがなかった十二支の話に
伊良は興味しんしんで志摩の話を聞く。
「神様の所に着いた順で、十二匹の動物で年を表すと決めたんだ。
そして、あいつは競争日を猫に聞かれた時に
わざとを間違った日にちで教えたんだよ。
それ以来、猫はあいつを見つけると追いかけ回すって寸法だ」
「…知らなかった…!
そんなことが起こっていたんだね」
一つ、より深く妖たちを理解することができた様なできない様な。
二人でのんびり露天風呂に浸かっていると
そのうちに空が白み始めて、朝日が昇ってきた。
その綺麗な朝焼けとなんとも言えないほっこりした気分に
伊良はゆっくりと深呼吸する。
まるで、生まれ変わったかの様な気分だった。
「私、最初はこんなの嫌だなって思っていたけど…。
もう少し頑張ってみる。
志摩、だから、もう少し一緒にいてね」
「ああ。どうせ、お前らの命なんか短いからな。
ずっといてやることくらい、屁でもない」
彼女を後ろから抱きしめて
肩に顎を乗せてゆっくりしている志摩から
安心と、気の抜けた声が聞こえる。
嫌味な言い方に少しだけ伊良は微笑んで
朝日を拝みながら湯船に浸かった。