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姫巫女さまの夜伽噺
第9章 穂高と志摩
蝓凪はとても立派な神様のようだが
伊良はもちろん何も知らされておらず
ただ夜になって志摩に案内されただけの部屋で
夜の営みの相手をしただけの相手という認識だった。
「なんで、いつも志摩は言ってくれないの…」
もし何かしらの粗相があれば
それはもしかすると、この宿にとっても、この山にとっても
非常に厳しいことになりかねない。
姫巫女はそれほどまでに経済効果も
知名度も高いのだと、伊良は薄々感づいていた。
だからこそ、大切なことくらい話して欲しいのに。
そう思って呟いた言葉は
近江耳に届き、そして、彼はにっこりと笑った。
「伊良様は責任感が強すぎるのです。
人間でいらっしゃった頃にも
その責任感の強さから、ロクデモナイ男に貢いでいませんでしたか?」
それを言われると、伊良はギョッとした。
確かにどうしていいかわからず、そういう流れになってしまっていた事はある。
それはもう、とても遠い昔の話のように聞こえた。
そういえば、穂高から返してもらっていた携帯電話は
未だに引き出しの中に入れたまま
電源も入れずに放置している。
伊良はもちろん何も知らされておらず
ただ夜になって志摩に案内されただけの部屋で
夜の営みの相手をしただけの相手という認識だった。
「なんで、いつも志摩は言ってくれないの…」
もし何かしらの粗相があれば
それはもしかすると、この宿にとっても、この山にとっても
非常に厳しいことになりかねない。
姫巫女はそれほどまでに経済効果も
知名度も高いのだと、伊良は薄々感づいていた。
だからこそ、大切なことくらい話して欲しいのに。
そう思って呟いた言葉は
近江耳に届き、そして、彼はにっこりと笑った。
「伊良様は責任感が強すぎるのです。
人間でいらっしゃった頃にも
その責任感の強さから、ロクデモナイ男に貢いでいませんでしたか?」
それを言われると、伊良はギョッとした。
確かにどうしていいかわからず、そういう流れになってしまっていた事はある。
それはもう、とても遠い昔の話のように聞こえた。
そういえば、穂高から返してもらっていた携帯電話は
未だに引き出しの中に入れたまま
電源も入れずに放置している。