この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
姫巫女さまの夜伽噺
第9章 穂高と志摩
伊良様、と近江がマッサージをしていた手を一旦止めて
伊良のことを見つめた。
「志摩様のお気持ちなのですよ、これは」
「志摩の?…どういうこと?」
「まだこちらに運ばれて間もない頃、
志摩様と穂高様は、寝込んでいる時、貴女の過去を覗かれたのです。
そうして、穂高様が貴女への処遇の多くを、志摩様に権限を託しました。
志摩様も責任感の強いお方です。
貴女のことをとても心配されていました。
そして、貴女と関わっていくうちに
姫巫女としての仕事の相手のことは
何も言わないようにしようとお考えになったのです。
なぜなら、言ってしまったら、その瞬間、
伊良様の中で頑張らなきゃいけない気持ちとか
この宿の為にとか思われてしまうのではないですか?」
近江の説明に、伊良は確かに、と頷く。
「その重圧を感じて欲しくない。
そして、のびのびといつものままでいて欲しい。
そう、志摩様はお考えなのです」
「…そう、なの?」
(…私のことを思って…?)
それに、近江は頷く。
伊良はなんともいえない気持ちが込み上げてきた。
伊良のことを見つめた。
「志摩様のお気持ちなのですよ、これは」
「志摩の?…どういうこと?」
「まだこちらに運ばれて間もない頃、
志摩様と穂高様は、寝込んでいる時、貴女の過去を覗かれたのです。
そうして、穂高様が貴女への処遇の多くを、志摩様に権限を託しました。
志摩様も責任感の強いお方です。
貴女のことをとても心配されていました。
そして、貴女と関わっていくうちに
姫巫女としての仕事の相手のことは
何も言わないようにしようとお考えになったのです。
なぜなら、言ってしまったら、その瞬間、
伊良様の中で頑張らなきゃいけない気持ちとか
この宿の為にとか思われてしまうのではないですか?」
近江の説明に、伊良は確かに、と頷く。
「その重圧を感じて欲しくない。
そして、のびのびといつものままでいて欲しい。
そう、志摩様はお考えなのです」
「…そう、なの?」
(…私のことを思って…?)
それに、近江は頷く。
伊良はなんともいえない気持ちが込み上げてきた。