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姫巫女さまの夜伽噺
第10章 人間の世界
三回、四回と、朽葉は挿入と絶頂を繰り返し
何度目かわからない絶頂の後に
伊良の顔も体も朽葉の体液まみれになった。


ベッドにくくりつけられて身動きさえ取れず
されるがままに犯されて
伊良は涙さえ出なかった。


月が真上まで登り、そして傾く。
そのうちに月の色が変化し始めて来る頃には
身体中がベトベトになり
縛り付けられた手足は鬱血していた。



(助けて、志摩…穂高…。お願い、助けて…私はここに居る…)



朽葉がもう何度目か何十回目かわからない挿入を始める。
皮膚の擦れ合う音が響き
卑猥な水音が響く。


伊良は目をつぶり、歯を食いしばった。
信じる心を忘れず、絶対に助けに来ると願った。


そうしていないと、心が折れてしまいそうだった。
朽葉の蹂躙に耐えきれなければ
このままこの男に殺されるまで犯し尽くされるのは
目に見えてわかっていた。
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