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姫巫女さまの夜伽噺
第3章 儀式

「人間の世界ではな」


あまりにも当たり前のごとく
志摩がそう言い放つので
愛蘭はああ、そうか
と納得してしまった。


「人間の世界…じゃあ、ここは本当に…」


「この耳も目も牙も尻尾もこの髪の毛も…
お前らが言う、コスプレだと思ったか?」


もう一度、愛蘭は志摩を見つめた。
血の気が引くほど美しい顔立ち。
頬の下の紅い文様。
透き通るような黄金色の瞳と
白銀色の長い髪の毛。
そして、同じ色の獣の耳に
5つに分かれた尻尾。


穂高は耳や尾はなく限りなく人間と同じだが
その瞳の紅さは宝石か作り物のようだった。
愛蘭は、認めたくはないのだが
その全てが本物だったという事
をきちんと理解していた。


「本当に…別の世界なんだ…。
姫巫女って何、志摩。
私、どうしたらいいの…?」


瞬きをすると、目から涙が落ちる。
しかし、悲しい気持ちもなければ
ただただ、そこに自分がいるだけの存在であることを自覚した。


「何か食っとけ。
用事があるなら双子に言いつけろ」


志摩の手が離れるのが怖くて
愛蘭は彼の着物をぎゅっと掴んだ。


「私…どうしたら…」


「お前が選択したんだ。
この結果は、全てお前が作り出したものだ。
分かったら手を離せ。
俺はもう寝る…。
風呂に入りたかったら入れ」


志摩は愛蘭の手を外すと
スタスタと歩き去った。
とても不機嫌な顔は
愛蘭の不安を煽るが
どうしようもできなかった。


鈍い痛みと体液の染み込んだ布団。
ぼうっとする体は重かった。


しばらくそうしていると
近江・美濃の二人がどこからともなく現れて
場違いなほどに明るくて無邪気な笑顔で
愛蘭を風呂へと誘った。
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