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第3章 仕込む

　フェイントも含めた行為、それが彼のルーティンだった。
（やはり奈々は過敏だな）
　野上が亀頭で花びらを揺さぶっているときだ。
　奈々は頭を振りながら、「ウゥーウゥー……」と喘いでいる。クリトリスに衝突させたときにはクッションの効果なのか、「ヴァンッ」と犬が吠えたような声を上げて、彼女の尻が大きく跳ねた。

　広げている奈々の太ももに筋肉の筋が盛り上がっている。性器から肉棒を離した野上は、その筋に亀頭を当てていた。だが見比べても、直ぐに入るだろうか──と、彼女の小さく見える性器と自分の肉棒では、物が違うように思えた。
　それでも性器の入口に、野上は亀頭を当てた。
　そのとき、「ウゥ～……」と奈々の音程が、可愛く上ずったように聞こえ、彼女の尻がゆっくりと上下に動き始めた。セックスに慣れているような尻の動きだった。
　色っぽい尻の動きを見て、美穂のときとはちょっと違う、と野上には思えた。

　美穂がバージンのときだった。
　美穂の性器に亀頭を押し当てたときには、尻は動かずに、彼女の性器は固く感じた。エラの張った亀頭を突きこもうとすれば、ぬるぬるするほど濡れてはいても、痛がりながら太ももを閉じる動きをみせて、彼女の体は上に逃げていく。
　だが、奈々は違っていた。ゆっくりと上下に動いている割れ目に、亀頭は少しずつ入っていく。
　肘を曲げてクッションで押さえつけた声も、最初とは違った。「ンアッ、……」と野上には、エロチックに感じた。

（太い亀頭が、こんなに気持ちいいなんて、真紀子先輩の言っていたことは本当だったんだ）
　奈々は、性器の肉が広がるのが分かった。これまで指を入れたオナニーよりも、比較できないほどの快感が頭を突き抜けていく。恥ずかしいと思っても、彼女は尻の動きを止められなかった。