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湯上がり慕情 浴衣娘と中年ピンチ君
第3章 仕込む
「これはうまい。最高だよ」
「良かった。そう言ってもらえると嬉しいんだよね。ところでおじさん、次の土曜日は花火大会じゃない」
 花火大会と聞き、野上はどきっとした。亜紀と目は合ったままだ。彼は秘密を見透かされている気がした。
 亜紀は話しを続けた。
「その夜なんだけど、絵里花ちゃんも誘って由香ちゃんたちとお爺ちゃんところで泊まるんだけど、おじさん参加する?」
 そのことだったのか、と野上は思った。幸いにも好都合だった。不参加なら、奈々のアパートに泊まることができるのだ。
「残念だなー。俺はその夜、仕事関係で飲み会なんだよ。花火大会は全員で行くんだろ? まあ健太が居れば安心だ。健太、全員のボディガード頼んだぞ。俺は友人宅で泊まると思うからな」
 すると健太は天にも昇るような顔だった。
「分かりました。任せて下さい」
 娘を奴に任すことに、野上は複雑だった。彼は居間に入ったときから、二人が、ときおり目を合わせているのは気づいていた。
 それに野上は、いまさら自分が何を言っても手遅れだと、分かっていることだった。
「じゃあ健太、全員任せたからな」
 自分の目の前で、「はいっ」と健太は由香と目を合わせた。
 野上は諦めにも似た顔で、腕時計を見て、
「じゃあ親父、遅くなってもいけないから帰るから」
「おじさん、その前に私たち片づける」

 それはさほど時間を要せず、片づけ終わった。
「お爺ちゃん、花火大会、迎えにくるからね」
「みんな安全運転で帰るんだよ。雨だから気をつけるんだよ。おやすみ」
「おやすみ、またね……」

 国道に出たとき、由香は鼻先を父の肩に近づけた。
「お父さん、女の人の匂いがしてる。奈々さんとデートだったんだ。お爺ちゃんにも誰にも言わないから、どうだった?」
 野上は、自分の腕の匂いをかいでみた。女の匂いはしていないように思える。
「そんな匂いがするのか?」
「いや、鼻を近づけないと分からない。大丈夫。お爺ちゃんやみんなにも、絶対にばれていないと思う」
 父のために、由香はそんなことを言ったのだった。
「だけどさ、腕の匂いかいでいるけど、どうして腕?」
 由香は隣りから父を見て、興味津々である。
「それはあれだよ、レストランに入ったとき、ちょっと腕に触れたからだよ。人が大勢いたんだよ」
「ふーん。ところで花火大会の夜、もしかしたら奈々さんとデート?」
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