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愛DoLL☆美しき野獣
第2章 二章
それから一ヶ月後。
真琴はふたりの計らいで、都立の高校へ編入した。
マンションの部屋も普通に窓がある6帖の洋室を与えてもられ、女の子に必要な家具や服を一式揃えてくれた。
「ほら、真琴ちゃん、なべが噴いてるから!!」
エドワードが台所で手厳しく指示する。
彼は仕事の帰りが早い日は、家事に不慣れな真琴を助けてくれる。
今夜のご馳走は、海鮮雑炊。
エドワードの得意料理だ。
イギリス人だが、彼は日本料理が大好きだった。
(もしかして、潤さんのために覚えたとか?)
真琴は近頃如何わしい妄想を抱くようになっていた。
初めは同性愛者に嫌悪感を抱いていた真琴だが、美しいこの二人なら、いっそ、それもアリかと思い始めたのだ。
「ごめんなさい。あちっ!!」
なべの蓋をとったら、すごく熱かった。
「大丈夫?火傷しなかった?」
心配そうに、青い瞳が覗き込む。
その綺麗な顔に真琴はドキドキした。
「平気です。」
「そう、なら良かった。」
エドワードは、女の子に優しい。
いつもにっこり笑いかけてくれる。
思えば、エドワードは最初から自分に普通に接してくれた。
とても同性愛者には見えない。
どちらかといえば、いつもどんな時も飄々として、女の子の方が好きそうだと思った。
一ヶ月経った今でも、真琴の疑問は尽きることがない。
ふたりは恋人同士だと言っているが、エドワードも潤も部屋は別々にあるし、主寝室も¨あの部屋¨も使われている形跡がない。
それに、これといって、親友以上のスキンシップは真琴の前では見せたりはしないし。
(一体ふたりは、どんなところに惹かれ合ってるのだろう・・。ちょっと二人きりのラヴシーンを見てみたい気がする。)
気がつけば本来の自分の目的を忘れるくらいに、ふたりのことに釘付けになっていた。
そして真琴にとってここでの暮らしは、思っていたより、そんなに嫌なものではなかった。