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愛DoLL☆美しき野獣
第11章 十一章




パタンと、部屋のドアが閉まった。


ひとり残された真琴は、嗚咽を抑え切れなかった。


「…ウッ…ふっ…っ!!!」


喉の奥が熱い。
涙が…滝のように溢れてくる。


「うっ…潤さんが…いっちゃた…。」


どれだけ、泣けば、この想いは消えるのだろう?
幾度の夜を越せば、彼のことを忘れられる??

これから生まれてくる命の重みを考えたら…。
彼に行かないでなんて死んでも…言えなかった…。


あたしはこれから、エドさんを欺き続けなければならない。

潤さんを傷つけさせない為に…。
あたしはエドさんに恋してることを演じなければならない。

傷ついた顔や泣き顔を、彼の前では、決して見せてはいけないんだ。

だから、今だけは…思い切り泣かせて。


潤さんが大好きだった。
失恋して、今、死ぬほど悲しい…。
出来れば潤さんと結婚したかった…。


そんな想いは、もう忘れなきゃならない。


だから、せめて…今だけは…涙を流させて…。


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