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愛DoLL☆美しき野獣
第1章 一章

静姉さんのことは覚えてる。
今まで数回この島に来て、自分と遊んでくれた。

「ねぇ、なんであたしは姉ちゃんの結婚式に呼ばれなかったんだ?」

「それは・・・。」

ジゼルは、口ごもる。
とても言いにくそうに、顔を顰めていた。

「あなたが3歳の頃、東堂商事は突然の株下落で危機的状況にありました。」

「それが姉ちゃんの結婚式に呼ばれなかったのと、どう関係あんの?」

「その危機を救ったのが、上流階級御用達の会員制ラヴコンサルタント、LOVE CONPANY(財)です。」

「だから、聞きたいのは、そうじゃなくて!」

「真琴さまの身柄は、すでに東堂家のものであって、実際はそうではありません。」

「はぁ?」

「言葉を悪く言えば、ようは、ご両親がお金であなたを売ったということです。」

「えっ・・?」

「これからあなたが暮らすご主人さまたちは、すべて上流階級の方ばかりです。まぁ、体の悪い政略結婚だと思って下さればよろしいかと思います。」

「ウソだ・・。」

やっと日本へ帰れると思ったのに・・。

「ウソではありません。静さまも千秋さまも今まで自由などなく、大変苦労なさってきました。あなたも今までの自由の代償を払うべきでは?」

ジゼルの瞳はとても冷ややかなものだった。

もしかしたらジゼルも、LOVE CONPANY(財)の一員なのかもしれないと、思った。

「今日からあなたは、ご主人さまの¨人形¨またの名を¨DOLL¨。もし、ご主人さまから逃げようとすれば、簡単に暗殺されてしまいますよ?」

「そんなの、うそだーーー!!」

「本当のことです。諦めてください。」

誰か・・・ウソだといって・・。

真琴は、こんな先の見えない数奇な自分の運命を本気で呪いたくなった・・。
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