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愛DoLL☆美しき野獣
第14章 十四章

エドワードはあれから、東堂家を後にして、真琴を車の助手席に乗せ、慎重に運転をしていた。
高速を使わずに、あえて一般道を選んだ。
一般道なら、飛ばせないからだ。
だからスピードを出しすぎることはない。
多摩川を越えた辺りで、真琴が目を覚ました。
しばらく彼女はボーっとして、外を眺めていた。
その穏やかな顔つきから、記憶を取り戻した気配はなさそうだった。
「・・・エドワードさん。」
「ん?何?」
「本当のことを言って?あたしは過去に・・・あなたに買われたの?」
「まぁ・・・似たようなものかもしれない。」
「そう・・・。兄は、あたしを拒絶ししてる。もうあの家には戻れない・・・お父さん・・にもう会えない・・。」
歯切れ悪く、ポツリポツリと呟く彼女に、エドワードは、片手運転しながら、頭をいい子いい子するように撫でる。
「東堂護氏は、君にそんな風に想われて、幸せだと思う。君の優しい気持ちは、真琴が手を握った時に、きっと伝わったはずだ。」
真琴の目に、ポロッと涙が伝う。
「・・なんであなたは・・そんなにあたしに優しくしてくれるの・・?愛してくれるの?」
「う~ん。なんでだろうね?」
「あたし、早く全てを思い出したい。」
「ん?そうだね。君が思い出した時、その時オレも覚悟を決めるよ。」
「何の覚悟?」
「さぁ、それは内緒だよ?」
エドワードは、ふっと笑って、それっきり丁寧な運転に集中し始めた。
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