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愛DoLL☆美しき野獣
第17章 十七章



響は、一週間ぶりの検診で・・・。


「血圧が175/110.すごく高いです。念のため、再入院しましょう。」


担当主任が、険しい顔をしてそう言った。


「あの、赤ちゃんは?」


「胎児の体重は、578gしかないので、術式手術は、まだ無理ですね。」


「元気に育っては、いるんですよね?」


「内視鏡検査では、一応問題はなさそうですがね・・。とにかく、食事に気をつけて、この研究ラボで、絶対安静にして下さい。」


医師は、言葉を濁した。

響は、この頃、お腹の張りがひどく、出血が度々あった。

張り止めの薬を服用しても、それは治まらず、とても胎児のことを心配した。


「響、大丈夫か?」


潤も、彼女のことが心配で、ずっと付きっ切りでいる。


「潤さん、僕は無事に赤ちゃんを産むことが出来るんでしょうか?」


「大丈夫だ、ここで、安静にしてろ。」


「・・・でも・・。」


響は心配だった。

ここに入院したら、自分の知らぬ間に、またエドワードと、潤が接触してしまうんではないかと・・・。


「ずっと、一緒にいてくれませんか?」


あれから幾度、¨まこと¨さんのことを詳しく聞こうかと思ったことだろう・・・。

潤さんの過去が気になる・・・。

でも、聞いたら、僕は・・・きっと狂ってしまうだろう・・・。

僕への想いは、偽善ですか・・・?

そんなことを、ちょっと考えただけで、お腹がキューッと張って、痛くなってくる。

初めは、ただ、あなたの笑顔が見たかっただけなのに・・・。

それすら、遠く見えて・・・。

今は・・・。

あなたを想う度に、息が上手く吸えなくなって。

苦しくなる。


「当たり前だ、馬鹿野郎!!」


潤は、響の手を握った。

その瞳は、真っ直ぐ前を捉えて、揺ぎ無いものだった。


「・・・ありがとうございます・・。」


潤に悟られないように・・・。
響は、一生懸命、えくぼを作って笑って見せた。



僕は、最低です。

こんな風でしか、あなたを繋ぎとめておけないなんて・・・。

悔しくて・・・馬鹿みたいに自己嫌悪に陥ってしまいます・・。


「張り止めの点滴します。すみませんが、木下さん、主任が呼んでいますよ。行って下さい。」


女の研究員が、来て、潤が頷き、病室を出て行った。


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