この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛DoLL☆美しき野獣
第17章 十七章
響は、一週間ぶりの検診で・・・。
「血圧が175/110.すごく高いです。念のため、再入院しましょう。」
担当主任が、険しい顔をしてそう言った。
「あの、赤ちゃんは?」
「胎児の体重は、578gしかないので、術式手術は、まだ無理ですね。」
「元気に育っては、いるんですよね?」
「内視鏡検査では、一応問題はなさそうですがね・・。とにかく、食事に気をつけて、この研究ラボで、絶対安静にして下さい。」
医師は、言葉を濁した。
響は、この頃、お腹の張りがひどく、出血が度々あった。
張り止めの薬を服用しても、それは治まらず、とても胎児のことを心配した。
「響、大丈夫か?」
潤も、彼女のことが心配で、ずっと付きっ切りでいる。
「潤さん、僕は無事に赤ちゃんを産むことが出来るんでしょうか?」
「大丈夫だ、ここで、安静にしてろ。」
「・・・でも・・。」
響は心配だった。
ここに入院したら、自分の知らぬ間に、またエドワードと、潤が接触してしまうんではないかと・・・。
「ずっと、一緒にいてくれませんか?」
あれから幾度、¨まこと¨さんのことを詳しく聞こうかと思ったことだろう・・・。
潤さんの過去が気になる・・・。
でも、聞いたら、僕は・・・きっと狂ってしまうだろう・・・。
僕への想いは、偽善ですか・・・?
そんなことを、ちょっと考えただけで、お腹がキューッと張って、痛くなってくる。
初めは、ただ、あなたの笑顔が見たかっただけなのに・・・。
それすら、遠く見えて・・・。
今は・・・。
あなたを想う度に、息が上手く吸えなくなって。
苦しくなる。
「当たり前だ、馬鹿野郎!!」
潤は、響の手を握った。
その瞳は、真っ直ぐ前を捉えて、揺ぎ無いものだった。
「・・・ありがとうございます・・。」
潤に悟られないように・・・。
響は、一生懸命、えくぼを作って笑って見せた。
僕は、最低です。
こんな風でしか、あなたを繋ぎとめておけないなんて・・・。
悔しくて・・・馬鹿みたいに自己嫌悪に陥ってしまいます・・。
「張り止めの点滴します。すみませんが、木下さん、主任が呼んでいますよ。行って下さい。」
女の研究員が、来て、潤が頷き、病室を出て行った。
.