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愛DoLL☆美しき野獣
第30章 宣戦布告

翌朝、真琴の目の下には大きな隈が出来ていた。
「おはよう、真琴」
「おはよう、お姉ちゃん」
「顔色が悪いわね?昨夜は、よく眠れなかった?」
「うん、ちょっとね…」
「枕が変わったからかしらね?真琴に合う枕を、今度選びに行きましょうね?」
「…いいよ!!!大丈夫だから!!!3日もすれば慣れるから!!!!」
(…ウソだ…一生慣れそうにもない…)
「そう?なら良いんだけど…ほら、朝ごはん、食べなさい?」
目の前には、美味しそうな焼きたてのパンとスクランブルエッグにソーセージ、ヨーグルトが並んでいるが、全然食欲がわかない。
(…エドさんの作る料理が食べたいな…)
「真琴、どうしたの?」
「えっ?」
真琴は、ハッとする。
「な、なんでもないよ!!!いただきます!!!」
モグモグ、パクパク、ゴックン!!!
「…美味しいよ、うん!!」
「ほらほら、そんなに勢いよく食べるから、口のまわりがすごいことになってるわよ?」
静は、笑いながら、ナフキンで真琴の口を拭った。
その瞬間、潤のことを思い出して、胸がズキンと傷んだ。
最近では、潤は、あまり叱らなくなった。
いくら行儀が悪くても、笑いながら樹と自分の口を拭ってくれる。
その姿は、真琴にとって、かけがえのない、毎朝の光景だった。
(…潤さんの笑顔が見たいよ…)
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