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愛DoLL☆美しき野獣
第32章 解けない魔法


その日、久々の我が家に着いた真琴は、一通りの家事をこなしたあと、樹の部屋の整理をした。

そして、ロンドンにいる樹に電話をかけた。

彼は寂しいと、訴えていたが、真琴があと1週間くらいの辛抱だからと、言い聞かせると、「うん」と返事が返ってきて、向こうでも何とか元気そうでホッとした。


(…二人とも、今夜は遅いかな?12時には迎えに来ちゃうから、早く会いたいよ…)


仕事の妨げにならないように、真琴はあえて戻るとは、連絡しなかった。


夕方、先に一人でご飯を済ませたら、急に眠気が襲ってきた。


(…牧師さまに、お説教されてから、やけに眠くなる気がする…。)


ソファーの上でウトウトしていたら、そのまま寝てしまっていた。



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「…琴?真琴?」


潤とエドワードが自宅に戻ると、ソファーの上で寝ている彼女を見て、びっくりする。


「…ダメだね、起きない。」


「こいつは、静のところでは、全然眠れなかったってことか?」


「かもね。ここに帰ってきて、やっと安眠を得られたって感じだね」


エドワードは、真琴の額に、キスをする。


「お帰り、真琴」


潤は、真琴の左手の甲にキスをする。


「もう、何処にも行くんじゃねぇ」


「うん、もう、静の所には、帰さないよ?」


「…ああ、あいつが来たらどうする?」


「Doll 部屋に真琴を軟禁する」


「おい、おい、お前な…」


「オレは、本気だよ?潤だって、真琴のいない生活なんて、もう、我慢出来ないでしょ?」


「…ああ、正直、しんどい」


「じゃあ、決まり!!!」


二人は、てっきり真琴は、自分たちがいないとダメだと悟って、静の元から逃げ出して来たのだと思っていた。



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