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愛DoLL☆美しき野獣
第33章 姉への想い


ギィィ―っと、重い音を立てて、教会の扉を開いた3人が、目に飛び込んで来たものは…。


ミサが終り、薄暗くステンドグラスの光のみに照され、その教壇の下に佇んだ、青白い顔をした静の姿だけで、その異様な雰囲気に、思わず真琴は、言葉を失った。


「…どうか、真琴が、不幸になりますように…ブツブツ…ふっ、ふふ、神様、淫らなあの子に制裁を…」



(お姉ちゃん…うそだ、こんな事は、嘘だと信じたい!けど…!!!)



一心不乱に祈りを捧げる静は、背後にいる3人に、まだ気付かない。


「…私は、真琴が…大嫌いなの…ブツブツ…私が悪いことなんて、何もないのよ……」


静は、かなり心が病んでいるようにみえた。


(…姉をここまで無意識に追い詰めたのは、紛れもなく、自分なのかもしれない。)


真琴は静の言動に耐えきれず、耳を塞ごうとしたが、エドがそれを許さなかった。


「ダメだよ?真琴。君は、現実を知らなければならない。」


「…エドさん…」


「オレには、静の醜く歪んだ感情は、かつての千秋のそれに、よく似ているように見える。」


「血筋か…」


ポツリと呟いた潤の台詞に、真琴は、ぐっと唇を噛み締めた。


(…あたしの中にも、流れている東堂の血、いつか、あたしも…自分の感情をコントロール出来ずに、平気で人を傷つけたりしてしまうのだろうか?)


「大丈夫だ、お前には、俺たちがついている。真琴がどんな姿になろうとも、絶対に守り抜く!」


「真琴、たとえ君が我を忘れても、オレは、君を、永遠に離したりしないよ?」



「…潤さん…エドさん…」



温かい二人の言葉に、涙が溢れてくる。



「泣かないで、いいんだよ?」



「…泣くな、バカッ!!!」



「…だってぇ…!!!」



「同じ事を何度も言わせるなよな?」



「ああ?潤ってば、照れてる(笑)面白~い!!!」



「エド、てめぇコノヤロ~!!!!」



「冗談だよ♪」



「「たくっ!!!お前を愛してるって、言ってるだろ!!!」」


潤の愛の告白、エドはいつものように振る舞い自分の心を落ち着かせてくれようとしてるのが、痛いほど伝わった。



(…そうだね、あたしは、大丈夫だ!!!)


真琴は、触れられてる二人の肌の温もりが、ただ愛しかった。



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