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愛DoLL☆美しき野獣
第33章 姉への想い

暫くすると、祭壇の奥の小さな扉が開いた。
その中から、神父が蝋燭を片手に、現れる。
「教祖さま!!!」
静は、我をもすがる勢いで、神父に抱きつく。
蝋燭で照された静の顔色は、妙に青白かった。
「フォッフォッ、静さん、お客人の前で、はしたないですよ?」
静をたしなめながら、真琴達の方へ蝋燭の灯りを掲げる。
薄暗い教会の室内が少し明るくなると静の目に、いるはずのない人物達が視界に入った。
「…っ…!?」
静は、まるで化け物に遭遇してしまったかのように、神父から戦き、狼狽した。
「…な、なんで、あんたらがここに、いるのよ―!!!!!」
「…お姉ちゃん…」
涙は流しているが、真琴は、二人にぴったりと寄り添い合い、守られて、顔色も良く、自分よりも幸せそうに見えた。
静はそれを見て、エドワ―ドに、怒声をあげる。
「監禁して、一生外に出さないって、言ったじゃない!!!!」
エドワ―ドは、苦笑する。
「さぁ?そんな約束したっけ?」
「なっ、ふざけないで!!!!!!!!」
静は、神父の蝋燭を奪い取った。
「静さんっ!?」
「ムカつくわ、本性を暴き出してやる!!!」
つかつかとエドワ―ドの前に歩みより、彼の顔に灯す。
「やっぱりあなた、本物の悪魔だ。」
「それ、よく言われる」
エドは、しれっ~としている。
しかし、潤が過剰に反応してしまう。
「やめろ、静!!!エドに近づくな!!」
「潤、あなたまで、悪魔に犯されて…」
「は?何言ってんだ?」
「教祖さま、粛清を!!!」
しかし神父は、首を横に振る。
優しく、宥めるように。
「静さん、少し落ち着こうか?」
「なっ何を、教祖さまぁ?」
静は、信じられないという顔をした。
「お姉ちゃん…もう、やめよう?」
真琴の心は、悲しみに震えていた。
(痛々しいよ、その姿が…)
エドは、そんな真琴にボソっと、耳打ちをする。
"実はね、神父さまには、もう裏(カインという秘書)を通して、契約してあるんだ"
真琴は、そのことに驚きを隠せない。
"君にかけた催眠術を解く代わりに、我がジャックスホ―ド家が全面的に教会への資金援助を投資するってね…"
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