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愛DoLL☆美しき野獣
第33章 姉への想い



一日だけ姉妹で水入らずで過ごして、静は、『神父さまの弔いをしたいから』と言って帰って行った。

火事の出火原因は、『事故』だと処理され、二人は罪を問われることは、なかった。

聖カトリック教会という名の新興宗教団体は、教祖、神父の死と共にこの世からあっさりと消えてしまった。

翌朝起きたらジゼルが、「真琴さま、お迎えが来ました」と言った。

ああ、ようやく約束を果たす時が来たんだ、と思った。


ザザ―ン、ザザ―ンと打ち寄せる波を避けながら、ひたすら浜辺を歩いていく。

大きい岩影から、小さな子供が砂浜に足を捕らわれながら、懸命に走ってくる。


「かぁちゃま―!!!!」


その独特な呼び方。

愛しい人にそっくりな、容姿。


何度も転びそうになりながらも、真っ直ぐ自分に向かって走ってくる。


「…樹!!!」


何週間ぶりに見た、我が子のような存在に、真琴は、胸が熱くなった。



真琴も懸命に、走った。

小さな樹を抱き締めるために…。



「…かぁちゃま、会えた!やっと、会えたの!!!」



「樹、樹、ごめんね…」



両手で力いっぱい抱き締める。

握り返してくる小さな手が、とても愛しい。

長い間、ずっとひとりにしてしまった。



「ううん、ぼくね、ちゃんといい子にしてたよ?」


「えらいね、えらい!!!」


「ねぇ、かぁちゃまのねぇねに会えた?」



「うん、うん!!!」



「かぁちゃま、わるいこところ、ない?いたいこと、ない?」


樹は、心配そうに聞いてきた。

エドは、どれだけ静のことを樹に悪く吹き込んでいたんだろうか?と、真琴は苦笑した。



「お姉ちゃんはね、小さい頃、ひとりぼっちだったあたしに、自分も大変な時に何度か会いに来てくれたんだ。いつも優しかった。それがどんなに、嬉しかったことか…」


「そっかぁ、なかなおりできたんだね?」


ぱぁっと、天使のような樹の笑顔に、真琴も、つられて微笑み返した。


「うん、だといいな!!!!」



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