この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛DoLL☆美しき野獣
第33章 姉への想い

一方、大川神父の葬儀に参列に間に合った静は、悲しみに明け暮れていた。
罪を問われることは、なかったが、彼を死に至らしめた原因が100%自分になかったわけじゃない。
「…せめて、安らかにお眠り下さい…」
それに、真琴にかけられていた催眠術のことが気がかりで…。
「静さん、神父さまがあなた宛に遺書を残されてます。」
同じ信者だった重役の男性が、封書を静に差し出した。
「神父さまは、心臓を患われていて、いつその発作が起きるか不安だったようですね?」
「……」
ガサガサっと、封書をあけると、そこには、彼の字で手紙が書かれていた。
『静さん、あなたがこれを読む頃には、わしは、この世から去っている時かな。すまないな。わしは教団を大きくしようと、必死だった。自分の能力を使って、あなたを利用したのは、事実だ。いずれ自分のしでかした事を、後悔する日が来るだろう。だから、この遺言を残しておくね。
あなたの妹さんにかけた魔法を解く呪文は…
あなたの口から、彼女へ
"幸せになって欲しい"
と、言ってあげることだよ。』
「ああ、真琴!!!!」
ぐしゃりと、遺言書を、握りしめる。
「静さん?どうしたんですか?神父さまは、なんて?」
「…何でもないの…ああ、でも良かった、良かったわ!!!!」
「静さん?やはり、我々がこの教団の跡を継いだ方が良いのでしょうか?」
「神父さまは、もういないの!!!!教団は、無くなったわ!!!それまでのことよ」
静は、残った信者たちに、力強くそう言い放った。
.

