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竜を継ぐ者~黄の刻印の章~(世界はエッチと愛で救われる)
第18章 彩夏の気持ち
静と動というのも、確か陰と陽で別けられるもののはずだ。若しも二人を足して割ったら……割と、ちょうど良い性格になるんじゃないだろうか。
「真吾に伝えろ――第二の覚醒は失敗し、咎に入ったと。先ず以て魂宮神社《たまみやじんじゃ》へ出向き、青竜の刻印と会え」
どうでも良い事考えちゃったな……彩夏は、不承不承ながらも頭の中で内容を反芻する。
埼玉県、魂宮神社……。
何で、こんな奴の言う事を素直に聞いてるのかしら。そうしてしまう生真面目な自分が嫌だが、伝言らしいから仕方ない。
「俺は咎の為に、真吾と交信が絶たれている。現ずるのも、おまえの気を手繰ってやっとじゃ……今は奴を導いてやる事もできんから、疾く青竜の刻印に必ず会うよう伝えよ」
思いながらも、頷いてしまう自分が情けない。
真名志は安堵したような表情を浮かべると、彩夏を見てニッと笑った。
その笑顔に彩夏は、嫌な予感にギクリとする。
「なかなか色気のある事を、しておったようだな。艶めかしい体勢ではないか」
股座に押し当てられた膨張に真名志はグッと、力を込めた。
いや、ちょっと待って!
彩夏は、真吾の身体を押し返そうと焦った。
「――ちょ、ちょっと、またその手には……!」
「承知しておるさ。時間が無いと申したであろ、残念だが何もせぬさ」
あっさりと意外にも引いた真名志に、彩夏は警戒を解こうとしない。
しかし真名志は本当に何もしてくる様子はなく、彩夏は拍子抜けしたようにポカンと真名志を見つめた。
「俺は交信できるようになるまで暫し眠る。娘、後は頼んだぞ――」
真名志はまたニッと笑うと、目を閉じてしまった。
◇
糸が切れたマリオネットのように、彩夏の身体にパタリと真吾の身体が倒れ込む。全体重が彩夏に重く、圧し掛かってきた。
「まったく……早く目を覚ましなさいよ。重たいじゃない……」
何度か身体を揺すってはみたが、真吾が起きる気配はまるで無かった。
それにしても、顔が近い。
男子の顔を、こんなに間近に見れるチャンスなど、そうは無い。彩夏は思わず、まじまじと見つめてしまった。
「男の子も意外と睫が長いのね。それにしても無邪気な寝顔だこと」
「真吾に伝えろ――第二の覚醒は失敗し、咎に入ったと。先ず以て魂宮神社《たまみやじんじゃ》へ出向き、青竜の刻印と会え」
どうでも良い事考えちゃったな……彩夏は、不承不承ながらも頭の中で内容を反芻する。
埼玉県、魂宮神社……。
何で、こんな奴の言う事を素直に聞いてるのかしら。そうしてしまう生真面目な自分が嫌だが、伝言らしいから仕方ない。
「俺は咎の為に、真吾と交信が絶たれている。現ずるのも、おまえの気を手繰ってやっとじゃ……今は奴を導いてやる事もできんから、疾く青竜の刻印に必ず会うよう伝えよ」
思いながらも、頷いてしまう自分が情けない。
真名志は安堵したような表情を浮かべると、彩夏を見てニッと笑った。
その笑顔に彩夏は、嫌な予感にギクリとする。
「なかなか色気のある事を、しておったようだな。艶めかしい体勢ではないか」
股座に押し当てられた膨張に真名志はグッと、力を込めた。
いや、ちょっと待って!
彩夏は、真吾の身体を押し返そうと焦った。
「――ちょ、ちょっと、またその手には……!」
「承知しておるさ。時間が無いと申したであろ、残念だが何もせぬさ」
あっさりと意外にも引いた真名志に、彩夏は警戒を解こうとしない。
しかし真名志は本当に何もしてくる様子はなく、彩夏は拍子抜けしたようにポカンと真名志を見つめた。
「俺は交信できるようになるまで暫し眠る。娘、後は頼んだぞ――」
真名志はまたニッと笑うと、目を閉じてしまった。
◇
糸が切れたマリオネットのように、彩夏の身体にパタリと真吾の身体が倒れ込む。全体重が彩夏に重く、圧し掛かってきた。
「まったく……早く目を覚ましなさいよ。重たいじゃない……」
何度か身体を揺すってはみたが、真吾が起きる気配はまるで無かった。
それにしても、顔が近い。
男子の顔を、こんなに間近に見れるチャンスなど、そうは無い。彩夏は思わず、まじまじと見つめてしまった。
「男の子も意外と睫が長いのね。それにしても無邪気な寝顔だこと」