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竜を継ぐ者~黄の刻印の章~(世界はエッチと愛で救われる)
第9章 学園のエキセントリックな女教師
「腹っていうか――その~、口は口でも下の口っていうか……」

 結局は仔細を突っ込まれそうだなと迷う心が、言葉も迷わせる。
 まどろっこしいのか、理沙は終にキレてしまった。

「はあ?滝川、はっきり言え!」
「すみません!だから――その~……ち…………膣です!」
「膣ゥ!?どういう状況だったんだ、おまえら……」

 言い淀んでいると、理沙の厳しい眼光に睨めつけられた。
 背筋にビリリと悪寒が走る。

「はっきりと言え!」

 煮え切らない真吾の態度に苛立ったのか、語尾と共にダンと強く床を踏み鳴らす理沙。
 真吾はビクッと飛び上がると、思った。
 怖ェ…………。

「だから――そのぉ、セックスしてたら見つけたって言いますか……」
「おまえらなぁ……学校はラブホテルじゃないぞ。そういう事は他でやれ」

 深々と溜息を洩らし、超絶呆れ顔の理沙。
 学校でなければ良いのかよと、真吾は内心ツッコミを入れた。ここは教師としては怒る場面だと思うが、怒るより先に呆れる所が理沙らしいと言えば理沙らしい。

「まあ、まだセックスで良かった」

 よ……良かったのか?
 何故かホッとする教師らしからぬ理沙の台詞に、真吾と彩夏はに少し呆気に取られた。

「様子が変だから、てっきり猫か犬でも解剖して見つけたのかと思ったよ」

 生物教師らしい(?)理沙の感想にギョッとする。隣の彩夏もかなりギョッとした顔をしていた。
 発想が突飛すぎる、幾ら何でもやらない。そんな惨い事をするような人間に見られるなんて心外だと真吾は少しショックを受けた。

「そ……そんな酷い事する訳ないじゃないですか!?」
「ちょっと、レイプは酷くないって言うの!?」

 胸に掴みかかりそうな勢いで、火がついたように色を作《な》す彩夏。
 突然の事に声も出せず、真吾は酷く焦った。
 ええええ!?ここでそれ言っちゃう……!?
 真吾の絶句する表情に、彩夏はハッと気づいたように驚いた。

「――あ、ごめん……」

 彩夏は俯くとポツリとした声で謝った。
 一呼吸してから理沙の怒気を孕んだ冷たい声――。

「――あァん?レイプとは……どういう事だ?」

 室内が水を打ったようにシーンと静まり返った。
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