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竜を継ぐ者~黄の刻印の章~(世界はエッチと愛で救われる)
第15章 和解
そんな事を、思わない訳はないのに……。
釣られてしまい、苦しみに彩られた笑みが真吾の唇を歪ませた。
「僕がそれを思わないなんて、どうして思うの?悩んだよ……僕も、美里が大切なんだ。美里を助ける為には、どうしたら良いか考えたら……他に方法は無かった。やり過ぎたのは、認めるけどさ……」
見詰め合う兄妹の眼差しは、苦しみに縁取られて痛々しい。
兄の独白を聞く妹の表情が、耐え切れずに悲しみに崩れた。
「若し――若しも、あたしに嫌われたとしても……?」
身を切るような美里の言葉に、真吾は苦しげに瞼を閉じる。
仕方ないなどと本心では到底、思えそうにない……。
閉じた瞼が、苦悩に微かにブルブルと震えた。
「そうだな……それでも美里が助かるのなら――」
そこまで言うと、美里が身体ごと振り向いた。
泣きそうなのをグッと堪えるような美里の表情。美里は正面から飛び込んでくると、甘えるように頬を寄せた。
裸の胸に感じる、妹の柔らかい頬の感触。
真吾は美里をそっと抱きしめると、頭をふわりと撫でた。
「ごめんなさい……ごめんね、お兄!お兄を苦しめるような事、言っちゃった……」
思いつめた眉は、申し訳がなさそうに八の字を描く。
心優しい妹は、兄を苦しめた言葉に後悔しているようだった。
美里は、本当に優しい子だ。美里に殺されたとしても、文句が言えないのは襲った僕の方だと言うのに、まず自分を責めるんだな美里は。
美里の暖かい優しさに、心が咎め真吾は懊悩する。
大義名分があるとはいえ、半分以上は情欲に突き動かされていた。今更それは、自分の心の中でも誤魔化しはきかない。
「おまえが謝る事はないよ。僕の方こそ、ごめんな」
謝ると美里は、少し複雑な顔をして首を横に振った。
美里の中でも、素直になるにはまだ、咀嚼しきれていないようだった。
自分自身の中でだって確かに、納得しきれていないのだから……当然なのだろう。夢が事実だという事は、堕児憑きが目の前に現れたら襲わなくてはいけない。
正義感で襲えるほど、この運命を納得できてないし受容しきれてない。エッチしたいでも何でも、自分を無理矢理にでも納得させなければ、襲うのは難しい。
それを完全に納得するには、真吾自身も心が追いついていなかった。
だが、その迷いを表には出せない。
釣られてしまい、苦しみに彩られた笑みが真吾の唇を歪ませた。
「僕がそれを思わないなんて、どうして思うの?悩んだよ……僕も、美里が大切なんだ。美里を助ける為には、どうしたら良いか考えたら……他に方法は無かった。やり過ぎたのは、認めるけどさ……」
見詰め合う兄妹の眼差しは、苦しみに縁取られて痛々しい。
兄の独白を聞く妹の表情が、耐え切れずに悲しみに崩れた。
「若し――若しも、あたしに嫌われたとしても……?」
身を切るような美里の言葉に、真吾は苦しげに瞼を閉じる。
仕方ないなどと本心では到底、思えそうにない……。
閉じた瞼が、苦悩に微かにブルブルと震えた。
「そうだな……それでも美里が助かるのなら――」
そこまで言うと、美里が身体ごと振り向いた。
泣きそうなのをグッと堪えるような美里の表情。美里は正面から飛び込んでくると、甘えるように頬を寄せた。
裸の胸に感じる、妹の柔らかい頬の感触。
真吾は美里をそっと抱きしめると、頭をふわりと撫でた。
「ごめんなさい……ごめんね、お兄!お兄を苦しめるような事、言っちゃった……」
思いつめた眉は、申し訳がなさそうに八の字を描く。
心優しい妹は、兄を苦しめた言葉に後悔しているようだった。
美里は、本当に優しい子だ。美里に殺されたとしても、文句が言えないのは襲った僕の方だと言うのに、まず自分を責めるんだな美里は。
美里の暖かい優しさに、心が咎め真吾は懊悩する。
大義名分があるとはいえ、半分以上は情欲に突き動かされていた。今更それは、自分の心の中でも誤魔化しはきかない。
「おまえが謝る事はないよ。僕の方こそ、ごめんな」
謝ると美里は、少し複雑な顔をして首を横に振った。
美里の中でも、素直になるにはまだ、咀嚼しきれていないようだった。
自分自身の中でだって確かに、納得しきれていないのだから……当然なのだろう。夢が事実だという事は、堕児憑きが目の前に現れたら襲わなくてはいけない。
正義感で襲えるほど、この運命を納得できてないし受容しきれてない。エッチしたいでも何でも、自分を無理矢理にでも納得させなければ、襲うのは難しい。
それを完全に納得するには、真吾自身も心が追いついていなかった。
だが、その迷いを表には出せない。