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第4章 年の差二十の恋愛事情

∽∽∽∽∽
日曜日の夕方、花房部長が指定して来た場所は、何の変哲も無い公園。
緑が沢山の公園の隅のベンチで、花房部長は座って私を待っていた。
「すまないね、こんな時にどんな場所を選んで良いのか分からなくて、こんな場所を選んでしまった‥
気に入らなかったか伊藤?」
「いえ、場所は気にしません‥
‥‥それで答えは決まりましたか?
花房部長の答え次第で、私も今後の身の振り方を考えます」
「身の振り方とは?」
「‥‥こんな事を言ってしまった以上、断られれば会社になんていられません‥
それにこんなドジな社員1人居なくなっても誰も気にしない、私なんてそんな存在なんですよね」
頷いてくれる筈なんて‥‥無い‥‥
だから私は私の心を守ろうとしてしまう、傷付いても花房部長に迷惑を掛けないように‥‥
「ちょっと待ってくれないか?
私の話を聞かず、勝手に自己完結されても困るのだが‥‥」
「‥‥‥えっ??」
やれやれ‥‥そんな表情で、花房部長は私の隣へと立ち上がった。
目の前の‥‥何時ものデスクが無い空間で、動揺するのは私の方。

