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身代わりの夜
第10章 純情エッチ代行人
 そっとドアを開ける。

 特設チームの一角だけ明るかった。

 デスクが並んだ薄暗いオフィスに、事務椅子に座った亜沙子の姿が、スポットライトを当てたようにくっきりと浮かび上がっていた。

 紺色のブラウスの前のボタンがすべてはずされ、ブラジャーがまともに見える。

 黒いハーフカップのブラだった。
 タイトスカートもまくり上げられて、ブラウンのストッキングに包まれた長い美脚が、太腿の上部までさらされている。

 いつも隙のないきっちりした身なりをしているだけに、オフィスで衣服を乱した痴態は、心臓が跳ね上がるくらい煽情的であった。

 ごくりと喉を鳴らして、啓太は室内に足を踏み入れた。

「山野辺くん? ずいぶん遅かったわね」

 気配を感じたのか、亜沙子が首だけこちらに向ける。
 顔の上半分が黒いアイマスクで覆われていた。

「うふふ、わざとなの? 焦らしているつもりかしら」

 含み笑いで余裕を装っているが、語調で緊張感がひしひしと伝わってきた。
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