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身代わりの夜
第11章 お仕置きふしだら上司
「ううっ、や、やめてっ……やめなさいっ」

 デスクの上で両膝を立てた格好は、安定が悪い。
 視界を奪われて、机から落ちるか、後ろにひっくり返る恐怖に、両手を啓太の首から離せないようだ。
 それほど本気の抵抗をしているわけではないのは、そのせいかもしれなかった。

 それをいいことに、啓太は舌の責めを激しくしていく。
 サーモンピンクの粘膜をすみずみまで舐めまわした。

 くにゃくにゃした肉ひだを唇でくすぐる。
 複雑な陰影を刻む粘膜に、ねろねろと舌を這わす。

 舌の動きに合わせて、まくれたタイトスカートごと、腰がひくん、ひくん、と色っぽくくねった。

「い、いやだったら……
 ひうっ、やめてって言ってるでしょう」

 声を荒げて、啓太の頭を叩く。

「大きな声をあげると、警備員がくるかもしれませんよ。
 オフィスでこんな格好をしてるのを知られてもいいんですか」

 実際はこの時間に警備員が来ることはない。
 亜沙子の羞恥を煽るためだった。

 アイマスクで相手の眼が見えないと、不思議なくらい粗暴な言葉が口をつく。

「くううっ……ひどいわ」

 そう言いつつも、亜沙子はハイヒールのつま先を反らしてあえぐ。
 丸まったショーツとストッキングが、両膝の間で紐のようにピンと伸びた。
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