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身代わりの夜
第13章 出張夜の部下指導


 * * *


 ホテルの部屋に入ると、啓太はネクタイを緩めて、すぐに缶ビールを開けた。

 一気に半分ほど飲み干す。
 よく冷えていた。疲れた身体に心地よい刺激が沁みわたる。

 初日のショーは大成功だった。
 来客の評判は上々。
 営業所の美容部員たちも、充分な手ごたえを感じたという。

 イベントは明日もある。
 啓太と山野辺は会場の近くのビジネスホテルを予約していた。
 課長も同じホテルだ。

 ロビー脇のラウンジで明日の打ち合わせと準備を終え、それぞれの部屋に引き上げたばかり。
 三人とも同じ階の並びだった。

(新ブランド、うまく軌道に乗るといいけどな)

 亜沙子の将来がかかっている企画である。
 微力ながら精一杯頑張って、ぜひとも成功させたかった。

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