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身代わりの夜
第15章 これっきりラブホテル
向かいの席で、古森啓太はずっと俯いている。
テーブルに並んだアイスコーヒーの氷は、とっくに解けてしまった。
繁華街のファミレスは大勢の客で混み合って、和やかな喧騒に充ちていた。
しかし、梨華と啓太の間に漂うのは、気まずく重苦しい空気だった。
「あーあ、うまく行かないわね」
梨華はわざとらしく大きなため息をついた。
「また振られちゃった。こんなにいい女なのにな」
啓太に別れ話を持ち出されたところだ。
いや、何度か逢瀬を重ねたとはいえ、恋人としてつき合っていたわけではない。
だから、別れ話というのもおかしい。
セフレ関係を解消したいと言われたのである。
可哀想なくらい平身低頭していた。
今も、上目遣いにちらっとこちらを見て、
「そんな……振るだなんて」
と、もごもごと口にする。
苦笑するしかなかった。
テーブルに並んだアイスコーヒーの氷は、とっくに解けてしまった。
繁華街のファミレスは大勢の客で混み合って、和やかな喧騒に充ちていた。
しかし、梨華と啓太の間に漂うのは、気まずく重苦しい空気だった。
「あーあ、うまく行かないわね」
梨華はわざとらしく大きなため息をついた。
「また振られちゃった。こんなにいい女なのにな」
啓太に別れ話を持ち出されたところだ。
いや、何度か逢瀬を重ねたとはいえ、恋人としてつき合っていたわけではない。
だから、別れ話というのもおかしい。
セフレ関係を解消したいと言われたのである。
可哀想なくらい平身低頭していた。
今も、上目遣いにちらっとこちらを見て、
「そんな……振るだなんて」
と、もごもごと口にする。
苦笑するしかなかった。