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身代わりの夜
第4章 部下ふたり
「山野辺くん、ちょっと来てくれる?」
貴野亜沙子はデスクに積まれた書類をてきぱきと処理しながら、部下のひとりを呼んだ。
スマートなスーツ姿の青年が、颯爽と近づいてくる。
オフィスは活気にあふれていた。
特に亜沙子がリーダーを務めるマーケッティング部の特設チームは、来月に迫った新ブランドのプレスリリースを控え、朝から全員が奔走中である。
山野辺が課長席の前に立つ。
亜沙子は書類から眼を上げた。
「マナベ・フィットネスの担当、きみにお願いするわ。しっかりと頼むわね」
「はいっ」
山野辺の返事は元気にあふれていた。
今回のプロジェクトで最も重要な仕事のひとつを任せることにしたのだ。
張り切るのも無理はないだろう。
今後のスケジュールについての詳細を打ち合わせる。
(彼ならやってくれるはず)
自信に満ちたハンサムな顔を見上げて、亜沙子は確信した。
多少、浮ついたところはあるが、やるべきことはきっちりやる。
昨日のプレゼンも悪くなかった。
相手を納得させる軽妙な話術にかけては、誰にもひけはとらない。
貴野亜沙子はデスクに積まれた書類をてきぱきと処理しながら、部下のひとりを呼んだ。
スマートなスーツ姿の青年が、颯爽と近づいてくる。
オフィスは活気にあふれていた。
特に亜沙子がリーダーを務めるマーケッティング部の特設チームは、来月に迫った新ブランドのプレスリリースを控え、朝から全員が奔走中である。
山野辺が課長席の前に立つ。
亜沙子は書類から眼を上げた。
「マナベ・フィットネスの担当、きみにお願いするわ。しっかりと頼むわね」
「はいっ」
山野辺の返事は元気にあふれていた。
今回のプロジェクトで最も重要な仕事のひとつを任せることにしたのだ。
張り切るのも無理はないだろう。
今後のスケジュールについての詳細を打ち合わせる。
(彼ならやってくれるはず)
自信に満ちたハンサムな顔を見上げて、亜沙子は確信した。
多少、浮ついたところはあるが、やるべきことはきっちりやる。
昨日のプレゼンも悪くなかった。
相手を納得させる軽妙な話術にかけては、誰にもひけはとらない。