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牝獣の哭く夜
第9章 淫らな風景
沼田は美人上司の美脚を腕に抱えたまま、苦笑いをして、
「課長はコンペの一週間前におっしゃってたじゃないですか。
東亜設計のこのアイディアは使える。
東亜なら無理でも、わたしなら諏訪部長にうまく売り込めるって」
美貴の顔がみるみる蒼白になる。
「まあ、俺もいつもの課長の手口だな、って思いましたよ。
東亜設計から設計案を手に入れたのも、諏訪部長にアピールするのも、この美しい身体を使うんだろうなってね。
これまでも沢村課長は、そうやって自分を売り込んできたんでしょう」
「よくも、そんなデタラメを……」
怒りのあまりか、美貴は朱唇をわなわなと震わせた。
「沼田さん。これまでのチームの努力に泥を塗るの? あなただって、ずいぶん頑張ったじゃないの。そ、それなのに……」
血を吐くような美貴の言葉に、沼田は胸の中でそっと呟いた。
(そう、泥を塗るんだよ――俺の過去にも、美貴さんの未来にも)
「課長はコンペの一週間前におっしゃってたじゃないですか。
東亜設計のこのアイディアは使える。
東亜なら無理でも、わたしなら諏訪部長にうまく売り込めるって」
美貴の顔がみるみる蒼白になる。
「まあ、俺もいつもの課長の手口だな、って思いましたよ。
東亜設計から設計案を手に入れたのも、諏訪部長にアピールするのも、この美しい身体を使うんだろうなってね。
これまでも沢村課長は、そうやって自分を売り込んできたんでしょう」
「よくも、そんなデタラメを……」
怒りのあまりか、美貴は朱唇をわなわなと震わせた。
「沼田さん。これまでのチームの努力に泥を塗るの? あなただって、ずいぶん頑張ったじゃないの。そ、それなのに……」
血を吐くような美貴の言葉に、沼田は胸の中でそっと呟いた。
(そう、泥を塗るんだよ――俺の過去にも、美貴さんの未来にも)