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牝獣の哭く夜
第9章 淫らな風景
「わたしは人の設計を盗んだことなんか、一度もありません!」
鼻先をツンと上げ、きっぱりと宣言する。
(さすがは美貴さんだ)
沼田の胸は熱くなる。
ゲスな男たちのなぐさみものにされても、羞恥の園をさらしても、デザイナーの誇りは失っていない。
「デザイン設計はオリジナリティが命です。
人真似の設計では、いい仕事はできません。
そのために、懸命に努力してきたんです。
ソレムニティの設計コンペもそれが認められて……」
「綺麗ごとを言うなあっ!」
片桐が顔を真っ赤にしてどなった。
常軌を逸した怒鳴り声に、美貴は思わず口をつぐむ。
「ずいぶんとご立派な女課長さんだ。
毛だらけの股ぐらをおっぴろげて、ご高説を宣われるときたもんだ。
あんたのやり口は、沼田君からみんな聞いているよ。あちこちの優秀な設計者に身体を差し出して、これはというデザインを盗むそうじゃないか。
ソレムニティのコンペに提示した企画も、二ヶ月前に東亜設計で設計したものだという証拠はちゃんとあるんだ」
「沼田さん、どういうことなの?」
美貴の戸惑った眼が沼田の方を向く。
鼻先をツンと上げ、きっぱりと宣言する。
(さすがは美貴さんだ)
沼田の胸は熱くなる。
ゲスな男たちのなぐさみものにされても、羞恥の園をさらしても、デザイナーの誇りは失っていない。
「デザイン設計はオリジナリティが命です。
人真似の設計では、いい仕事はできません。
そのために、懸命に努力してきたんです。
ソレムニティの設計コンペもそれが認められて……」
「綺麗ごとを言うなあっ!」
片桐が顔を真っ赤にしてどなった。
常軌を逸した怒鳴り声に、美貴は思わず口をつぐむ。
「ずいぶんとご立派な女課長さんだ。
毛だらけの股ぐらをおっぴろげて、ご高説を宣われるときたもんだ。
あんたのやり口は、沼田君からみんな聞いているよ。あちこちの優秀な設計者に身体を差し出して、これはというデザインを盗むそうじゃないか。
ソレムニティのコンペに提示した企画も、二ヶ月前に東亜設計で設計したものだという証拠はちゃんとあるんだ」
「沼田さん、どういうことなの?」
美貴の戸惑った眼が沼田の方を向く。