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牝獣の哭く夜
第10章 砕け散る矜持
 片桐専務が全裸で美貴の傍らに横になった。

 見まいと思っても、股間に揺れる黒い肉塊がつい眼に入ってしまう。
 貧相な身体のわりに、怒張は太く長かった。

「沢村課長……というのも、ここまでくれば他人行儀だ。美貴でいいだろ?」

 片桐に名前で呼ばれると、背筋に悪寒が走る。
 でも、拒否する権利はない。

「美貴くん……すばらしい身体だ」

 片桐の手が改めて乳房に伸びてくる。

 愛撫を受け入れる覚悟は出来ていた。
 胸を覆った手をそっと外す。

 ゆるやかに揉まれた。
 豊かな乳房がやわやわと揺蕩《たゆた》った。

(そんなに感じないわ……)

 さきほどのような蕩けるような感触はない。

 少し安堵した。

 次の瞬間、乳首をつままれる。
 軽く弾かれ、甘酸っぱい快感が脳に響いた。

「うン……」

 鼻奥から悩ましい吐息がもれた。

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