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牝獣の哭く夜
第10章 砕け散る矜持
 汚辱の挿入のはじまり。
 美貴はシーツを握り締めて身構えた。

 片桐の怒張がゆっくりと肉ひだを割り、膣孔に侵入してきた。
 濡れそぼった肉裂に、それを防ぐ術《すべ》はない。

「はうっ……」

 にゅるっ、とエラの張った亀頭部を挿入されたとき、不覚にも小さく喘いでしまった。

 それ以上の喘ぎをこらえるべく、朱唇を噛み締める。

 狭い肉道を無理やり広げ、青筋を立てた剛棒が女体の奥まで押し入ってくる屈辱――
 硬い肉棒の形状を膣ヒダで感じる口惜しさ――

「むほっ、きつい。こりゃあ名器だ」

 鼻息荒い男の呻きすら、心をえぐる刃となった。

 膝裏に手を掛けて美貴の優美な脚を折り曲げ、あまつさえ体重をのせて奥深くに肉茎を押し進める。

 身体の中心に肉の杭を打たれるようだ。

 杭の無慈悲な侵入を防ごうとする肉の歯向かいは、逆に、狭膣を押し広げられる甘い無力感となって、敗北の悦楽を味わってしまう。

 いつしか、野太い肉杭に蕩けた肉ヒダを絡みつかせていた。

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