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牝獣の哭く夜
第10章 砕け散る矜持
 片桐の舌責めは終わらない。

 舌がびらびらと動いて、淫らな音が響く。
 粘膜のひとつひとつをめくり返され、溝の間に溜まった粘り汁を啜られていく。

「おいしいよ、美貴の淫らなヨーグルト。
 ちょっと酸っぱくて、ツンと鼻を刺すけど、それがたまらない刺激だよ。
 これが小生意気な女課長の味ってやつかねえ」

 屈辱に耳を塞ぎたい。

 けれど、羞恥の割れ目につぎつぎと悦楽の泉を沸かせているのは、まぎれもない美貴自身だ。
 おまけに、湧き出す蜜液はどんどん濃厚になってゆくのが感じ取れる。

(しっかりするのよっ)

 恥裂からとめどなく溢れ出る淫らな口惜し涙。
 なんとか止めようと、美貌の女性キャリアは自らを叱咤した。

「いやらしい毛をいっぱい生やしていたり、オマ×コを濡らしたり、
 やっぱりきみは根っからの淫乱女だったんだねえ。
 身体でのし上がってきたのも、当然だ」

「ああ、ひどいわ……」

 片桐が美貴の両脚の間に身体をねじ入れてきた。

 裸身をよじって逃れようにも、上半身にのし掛かられ、太腿を手で押さえつけられて、身動き出来なくされた。

 上向いた乳房が男の痩せた胸でつぶされ、太腿には熱をもった硬くおぞましい肉があたる。

「待ちに待った愚息の出番だよ。嬉し涙で歓迎してくれるかい」

 下劣な男の硬肉が、縦長の割れ目に沿って動く。

(ああ、とうとう……)
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