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牝獣の哭く夜
第11章 夜景レストラン
低く抑えられた照明に、荘厳で暖かみのあるレストランの内装が浮かび上がる。
片側の壁は一面の大きなガラス窓となって、暗く沈んだ青山霊園の向こうに、六本木ヒルズや東京タワーが輝いて見える。
まるで舞台劇の背景のようだった。
都心の夜の眺望が視界全体に広がるテーブル席で、沢村美貴はソレムニティ・グループの若き企画部長、諏訪龍彦とディナーを楽しんでいた。
今日の美貴はブラック・ストライプのスカートスーツ姿だ。
濃紺のカットソーはスクエア・ネックで、すっきりと美しいデコルテに、しずく型の飾りがついたアンティーク調のネックレスが輝く。
いつもはシニヨンに結っているセミロングの髪は、肩で軽くウェーブを描いていた。
ワインを口に運びつつ、インテリアに何気なく眼を向けていた美貴に、諏訪が面白そうに尋ねた。
「専門家の厳しい眼から見て、この店のインテリアはどうです?」
「まあ」
美貴はワイングラスを置いて、口元に軽く手をやり、
「わたし、そんなに厳しい眼をしてました?」
「いや、そういうわけじゃないですけどね」
諏訪部長は目元に柔和な笑みを浮かべて、美貴の瞳を覗き込む。
明るい色のデザイナーズスーツが自然に似合っていた。
片側の壁は一面の大きなガラス窓となって、暗く沈んだ青山霊園の向こうに、六本木ヒルズや東京タワーが輝いて見える。
まるで舞台劇の背景のようだった。
都心の夜の眺望が視界全体に広がるテーブル席で、沢村美貴はソレムニティ・グループの若き企画部長、諏訪龍彦とディナーを楽しんでいた。
今日の美貴はブラック・ストライプのスカートスーツ姿だ。
濃紺のカットソーはスクエア・ネックで、すっきりと美しいデコルテに、しずく型の飾りがついたアンティーク調のネックレスが輝く。
いつもはシニヨンに結っているセミロングの髪は、肩で軽くウェーブを描いていた。
ワインを口に運びつつ、インテリアに何気なく眼を向けていた美貴に、諏訪が面白そうに尋ねた。
「専門家の厳しい眼から見て、この店のインテリアはどうです?」
「まあ」
美貴はワイングラスを置いて、口元に軽く手をやり、
「わたし、そんなに厳しい眼をしてました?」
「いや、そういうわけじゃないですけどね」
諏訪部長は目元に柔和な笑みを浮かべて、美貴の瞳を覗き込む。
明るい色のデザイナーズスーツが自然に似合っていた。