この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
牝獣の哭く夜
第12章 ふたりの男
意識を取り戻してしばらく、美貴は自分の身に何が起こったのか理解できなかった。
うつ伏せになってフローリングの床を見ている。
首筋に痺れるような痛みがあった。
何者かにスタンガンで襲われ、拉致されたのだと気づく。
とっさに片桐と沼田の顔が浮かんだ。
激しい恐怖心が襲いかかってきた。
後ろ手に縛られ、褐色のフットスツールの上にロープで固定されている。
ストッキングの膝が床について、祈りでも捧げているような恰好だった。
スーツのジャケットとハイヒールは脱がされていた。
マンションの一室のようだ。
窓には淡いグリーンのカーテン。
フットスツールと同じ褐色のソファが二脚並んだ横に、ダイニングにあるような木の椅子が置かれ、裸の男が縛られてもがいていた。
「諏訪部長……」
美貴は眼を疑った。
縛られているのは諏訪だった。
美貴と同じように後ろ手に拘束され、口には荷造り用ガムテープが貼られて、唸り声しか上げられないようだ。
うつ伏せになってフローリングの床を見ている。
首筋に痺れるような痛みがあった。
何者かにスタンガンで襲われ、拉致されたのだと気づく。
とっさに片桐と沼田の顔が浮かんだ。
激しい恐怖心が襲いかかってきた。
後ろ手に縛られ、褐色のフットスツールの上にロープで固定されている。
ストッキングの膝が床について、祈りでも捧げているような恰好だった。
スーツのジャケットとハイヒールは脱がされていた。
マンションの一室のようだ。
窓には淡いグリーンのカーテン。
フットスツールと同じ褐色のソファが二脚並んだ横に、ダイニングにあるような木の椅子が置かれ、裸の男が縛られてもがいていた。
「諏訪部長……」
美貴は眼を疑った。
縛られているのは諏訪だった。
美貴と同じように後ろ手に拘束され、口には荷造り用ガムテープが貼られて、唸り声しか上げられないようだ。