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牝獣の哭く夜
第14章 愛しい屹立
 数度にわたる快美な発作が収まると、美貴はがっくりとフットスツールに体重を預けた。
 「イク」と口に出さなかったのが、せめてもの意地だった。

 霞がかかったようにボーッとした美貴の耳に、沼田の嘲笑うような声が聞こえた。

「あーあ、とうとうイッちまったぜ、この女。
 諏訪部長が見てるっていうのによ」

 身体に埋め込まれた責め具が抜けてゆく。
 空洞となった膣口から、まるで男に射込まれた精のように、どろりとした淫液がこぼれ出るのが感じ取れた。

(……もうお終いだわ)

 沼田のような男にいやらしい器具を使われて、簡単に気をやってしまうところを諏訪部長に見られたのだ。

 もはや、涙も出ない。
 未だ身体の芯に残る官能の燻《くすぶ》りを持て余しつつ、美貴は自分の肉体の脆さに絶望した。

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