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牝獣の哭く夜
第16章 あかされた奸計
 舌先でペロリとすべらかな頬を舐められた。

「ひッ……」

 思わず肩がすくむ。
 首筋の毛が逆立った。

 諏訪は長く伸ばした舌で、頬から顎にかけての優美な曲面を舐めまわしてくる。

「犯しても、いつまでもギャアギャア嫌がるだけの女や、反応を示さないマグロ女だったら、いくら美人で才能があっても面白くない」

「……や、やめて……放して……」

「だけど、おまえは淫らさも、アソコの具合も、極上品だ。
 虐めがいのある女だよ。

 沼田や片桐に抱かせたときは、これほどの上玉だとは思わなかった。
 今だって、ほら、こんなにキツキツに僕を締めつけてくる」

「やっ……だめっ……」

 突き上げられて、膣内の男根が否応なく意識される。
 美貴の隘路を押し広げて、完全復活を果たしていた。

 男の舌先が唇の端に達した。
 ふっくらと官能的な唇の輪郭をなぞってくる。
 暴虐で剥げかけたルージュの塗り直しでもするように、ねろねろと舌が這いまわった。

「キスぐらいしようぜ」

「う、うぐうっ……」

 顎を押さえられ、顔が動かせない。

 舌の暴挙が朱唇の隙間に及ぶ。
 力いっぱい唇を引き結び、舌の侵入を拒んだ。
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