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牝獣の哭く夜
第19章 白百合の臓腑
乱れたシーツは、沼田には浮動する波に見えた。
意識を失って、その波に揺蕩《たゆた》うように横たわる三十三歳の女体は、全身が汗で艶やかにぬめって、まるで水中に漂う一輪の花のようだった。
長い手足の乳白色の裸身に、栗色のウェーブヘヤーが乱れ拡がり、下腹部には黒ぐろと恥毛が茂る。
乳房の先端はツンと煌めく淡桜色。
唇と手足の爪は明るく輝くピンク。
さまざまに彩られた女体の、乳房や脾腹や下腹部が、性悦の余韻さめやらぬ呼吸で、ゆるやかに揺れ動いているさまは、まさに美しい水中花だった。
いきいきと死んでゐるなり水中花
櫂未知子の句のように、沢村美貴はいきいきと優美に、かりそめの死に浸っていた。
意識を失って、その波に揺蕩《たゆた》うように横たわる三十三歳の女体は、全身が汗で艶やかにぬめって、まるで水中に漂う一輪の花のようだった。
長い手足の乳白色の裸身に、栗色のウェーブヘヤーが乱れ拡がり、下腹部には黒ぐろと恥毛が茂る。
乳房の先端はツンと煌めく淡桜色。
唇と手足の爪は明るく輝くピンク。
さまざまに彩られた女体の、乳房や脾腹や下腹部が、性悦の余韻さめやらぬ呼吸で、ゆるやかに揺れ動いているさまは、まさに美しい水中花だった。
いきいきと死んでゐるなり水中花
櫂未知子の句のように、沢村美貴はいきいきと優美に、かりそめの死に浸っていた。