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牝獣の哭く夜
第22章 凌辱会議室
「どうしてって、そりゃあ沢村課長をのナイス・バディを抱けるって、誘われたからですよ。
そんな誘いを断れる男なんていないでしょう?」
端整な顔の若者が楽しそうに笑う。
「君には塚本さんがいるのに……」
「彼女とは真剣に結婚を考えてます。
課長とはほんのお遊びですから」
「ひどいわ……もうやめて、お願いっ」
「生意気な口をたたきやがって。
おまえが無理難題を押しつけてきて、俺はいつも四苦八苦しているんだ。
いまさらお願いされたって、遅いんだよ」
「ああ、八木原くんまで」
諏訪の命令で二人を誘ったのは沼田だ。
後腐れなく沢村美貴を自由に弄ぶことができると知って、山崎も八木原もすぐに誘いに乗った。
あまりにあっさりと受諾したので、沼田の方があきれたほどだ。
(みんな美貴さんを尊敬していると思っていたのに)
仕事熱心で沢村課長を慕っているようだった山崎も、いつも彼女の味方のようにふるまっている八木原も、ひと皮剥けば、心の中は打算や怨恨に満ちていた。
情熱や誠実や実直などの態度は、社内外のパワーバランスを勘案しての見せかけで、本心からではなかったのだ。